小学生から始める英語多読のススメ|メソッド別・具体的な実践法を徹底解説
こんにちは、英語講師の杉田です。
この記事では、小学生におすすめの
「英語多読」の楽しみ方と実践法について、
私の教室で取り入れている方法や、
実際の生徒の成長エピソードを交えながら、
わかりやすくご紹介します。
この記事を読むとわかること
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「多読」ってどういう学習法?どんな効果があるの?
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英語が苦手な子でも楽しくできる「多読的学び」の方法
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実際の教室で行っている「サウンドシャワーテクニック」の進め方
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多読を始めた子どもたちの変化
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ご家庭で取り入れられる英語多読の5ステップ
「多読」ってそもそも何?親子で知っておきたい基礎知識
「多読」とは、辞書を使わずにたくさんの英語の文章に触れ、
自然に英語の意味や語感を身につけていく学習法です。
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英語を読むことに抵抗がなくなる
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文法を意識せず意味のかたまりで理解できるようになる
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語彙力・理解力が自然と育つ
というメリットがあります。
英語が苦手な子どもでも
「辞書なし」「難しく考えなくてOK」
という点が安心材料になるため、
英語への第一歩にとても向いている学び方なのです。
教室で取り入れている“多読的学び”とは?
実践教材「トムとアリスの日常」×サウンドシャワーテクニック
私の教室で中心的に取り入れているのは、
まねび学園の
「SSTメソッド(Sound Shower Technique)」
という英語大量インプット型のメソッドです。
このメソッドは、40年以上にわたり
幼児・児童英語教育に携わってきた
境山哲夫先生(まねびてつろう)が開発されたもので、
教材には自身の手描きによる
イラスト入りのストーリーや紙芝居などが使われています。
「SST(サウンド・シャワー・テクニック)」の特徴は、
まるで**“英語の海で遊ぶ”ような感覚**の中で、
子どもたちが自然に英語を理解し、
口から英語がポンポンと出てくるようになるところです。
遊んでいるように見えて、英語が「英語でわかる」喜び
一見すると英語カルタや絵本で遊んでいるように見える子どもたち。
けれどもその裏では、**「英語のシャワーを浴びて」「模倣し」「イメージで理解する」**という、まさに言語習得に最適なプロセスが自然と行われています。
英語を英語のまま理解する“ウルトラC”の早業。
この楽しさと実感こそが、子どもたちにとっての大きなモチベーションとなり、「もっとやってみたい!」という意欲を引き出してくれます。
「英語の耳」と「自信」が育つ、SSTメソッドの力
この学び方のすごさは、「中学レベルの英語」であっても、ゲーム形式で取り組めば幼児でも楽しみながら理解できてしまうところ。
「最初は全然できなかったのに、英語で絵が選べるようになった!」
「発音をほめられて嬉しかった」
「英語が怖くなくなった!」
…そんな声がどんどん教室に響くようになります。
実際、保護者の方からは「うちの子、アメリカ人の耳になったみたいです」というご感想をいただいたこともあります。
聞いて終わりではない、音読とアウトプットの連携
SSTメソッドでは、英語のシャワーを浴びたあと、音読やLook Up Lesson(視線を上げて語りかけるように英文を暗唱するトレーニング)も行います。
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聞いた英語を自分の口で再現する
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見た文字と音が一致する
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意味のある「語りかけ」につなげる
この繰り返しによって、中学英語レベルのスピーキングの基礎が自然と固まっていきます。
特に小学5〜6年生以降では、英語の耳と合わせて「言える力」も鍛えていくフェーズに入っていくため、まさに小学生からの“多読的英語学習”の決定版ともいえるメソッドです。
生徒の変化エピソード
ある男の子は、最初の頃、絵を選ぶゲームで半分も正解できずにいました。
それでも本人は、「もっとやりたい!」と毎回前向きな姿勢で取り組んでくれていました。
そんな彼が毎週レッスンを重ねていく中で、「今、“baby”って聞こえた!」「これは“classmate”って言ってたよね?」と、一つひとつの単語を英語の音から拾い上げて理解するようになっていきました。
やがて、“classroom”や“bookbag”など、少し難しめの語彙も聞き取れるようになり、反応スピードが格段にアップ。正しいカードをどんどん取れるようになってきたんです。
英語に耳を澄ませて反応する姿、理解できた時の嬉しそうな表情。それらが、英語学習を「知識」から「実感」に変える、大切な瞬間だと改めて感じさせてくれました。
私自身の多読体験からの気づき
実は私自身も、アメリカに住んでいた頃、「多読的な学び方」の恩恵を大きく受けたひとりです。
当時、英語そのものの基礎力はしっかり持っていましたが、いざ現地の生活が始まると、子どもが使うような語彙や、家庭・学校の日常会話でよく使われる単語に、意外なほど対応できていないことに気づかされました。
そこで、手に取ったのが子ども向けの絵本やアニメ。
文法的にはシンプルでも、自分の知らない表現や言い回しがたくさん詰まっていて、絵や映像から意味を推測しながら、新しい語彙をどんどん吸収していくことができました。
特に、幼児向けテレビ番組のセリフはスローペースで繰り返しも多く、英語の音やリズムに自然と慣れるためにとても役立ちました。
この経験を通して、「子どもはもちろん、大人にとっても“英語を自然に浴びる”ことの価値はとても大きい」と実感するようになりました。
それは今の教室での指導方針にも深くつながっています。
家庭で気軽に始める英語多読の5ステップ
1. 教材選びは「理解できるレベル+絵のあるもの」から
難しすぎると挫折しやすくなります。最初は、絵を見れば英語の意味が推測できるような、子ども向けの絵本や英語カルタ、シンプルなアニメのセリフなどがおすすめです。
2. 「辞書なし」「意味が分からなくてもOK」で始める
わからない単語があっても、止まらずに読み進めることが大切です。細かく訳すよりも、「何となくわかる」「イメージで感じ取る」ことを大事にしましょう。
3. 読み聞かせや音声教材を活用する
英語絵本の読み聞かせCDやYouTubeの英語読み聞かせ動画などを使って、聞く+読むを一緒に行うと、音と文字が結びつきやすくなります。
4. 親子で楽しむ工夫を取り入れる
英語をゲーム感覚で楽しむのが長続きの秘訣。クイズ形式で読み聞かせをしたり、キャラクターのセリフを真似して遊んだり、おうちでも工夫次第で楽しくなります。
5. 継続のコツは「無理しない」「量より回数」
一気に長くやるよりも、1日5分でもいいので頻度を大切にしましょう。「今日は少しだけ英語タイム!」という軽い気持ちで、習慣化につなげていくことが成功のポイントです。
まとめ
「うちの子、英語に抵抗があるみたい」「読む力が伸び悩んでいて…」
そんなときこそ、楽しさを感じられる多読的学びがぴったりです。
たとえ“正確な定義の多読”でなかったとしても、英語に大量に触れる経験は、子どもたちの力になります。
そして、その変化は必ず日々の表情や自信に現れてくるのです。
この記事が、あなたやお子さんの英語学習に少しでも役立つヒントになればうれしいです。
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