「小学生の英語が“聞こえる”だけから“伝えられる”に変わる実践ステップ」
こんにちは、英語講師の杉田です。
「うちの子、英語の音は聞いてるけど、話そうとすると黙ってしまって……」
そんな保護者の声、よく伺います。
英語を“聞ける”ようになるのと、“伝えられる”ようになるのは、別のステップ。
でも、その間にはしっかりと橋をかける方法があります。
この記事では、小学生の英語力が「ただ聞こえてくる英語」から「自分の気持ちを伝えられる英語」へと変わっていくための3つの実践ステップを、教室での実例を交えながらご紹介します。
英語が「聞こえてはいるのに」話せない理由
「英語のDVDやCDを毎日聞かせてるんですけど、いっこうに話せるようにならなくて……」
そんな保護者の方のご相談、本当によくあります。
でも、それはお子さんの力が足りないわけではなく、“聞き方”に鍵があるんです。
英語の音が「聞こえる」ことと、意味が「わかる」ことは違います。
さらに、意味が「わかる」ことと、「伝えられる」ことも違います。
聞こえた英語が「なんとなく意味がわかるかも?」という感覚になり、
やがてそれを声に出して、気持ちをのせて返せるようになる。
そこには段階があります。
「聞こえる」から「伝えられる」へ進む3ステップ
ステップ①:意味のわかる聞き方で「気づき」を増やす
英語の音をただ流すだけでは、耳は慣れても記憶には残りません。
大事なのは、**「あれ?これってこういう意味かな?」**と気づけるような内容を、何度も繰り返し聞くことです。
私の教室では、「トムとアリスの日常英語」という、子どもにとって身近なシーンばかりの教材を使っています。
「これ、おなかすいたって言ってる?」「さっきと同じ単語!」
そんなふうに、少しずつ“意味のある音”として英語を捉えられるようになることを大切にしています。
この「なんとなく意味がわかる」が、伝える力の土台になります。
ステップ②:声に出して“自分の口に慣らす”
意味が少しずつつかめるようになったら、
今度はそれを自分の口でまねして言ってみる練習です。
「I’m hungry.」と聞こえたら、それを口に出してみる。
これを何度も繰り返すうちに、口の動きがなじみ、“言える英語”が増えていきます。
そしてここから、「I’m tired.」や「I’m happy.」など、
気持ちを変えて言えるようになると、ぐっと“伝えられる英語”に近づいていきます。
ステップ③:「伝える練習」で“会話の回路”をつくる
ただフレーズを繰り返すだけでなく、
自分の気持ち・理由・考えをのせて話す練習をすることが大切です。
たとえば――
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「I like apples.」→「Because they’re sweet.」
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「I have a dog.」→「Her name is Momo.」
こんなふうに、自分の言葉を“少しだけ長くしてみる”。
こうしたステップを重ねることで、子どもたちは“伝えたいことを英語にする力”を育てていきます。
また、やりとり形式の練習(例:「Do you like soccer?」→「Yes, I do.」)も効果的。
これができるようになると、会話が少しずつ楽しくなっていきます。
家庭でできる「伝える英語」サポート習慣
保護者の方も、ちょっとした工夫で「伝える力」を育てる関わりができます。
● やってみよう!親子ミニ英会話
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「今日の夕ごはん、英語で言ってみようか」
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「好きな動物を教えて」→「Why?(なんで?)」と聞いてあげる
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「おもちゃ、英語でなんて言うんだっけ?」と一緒に調べてみる
こうした親子のやりとりが、
子どもにとって“英語を伝える経験”そのものになります。
完璧じゃなくていいんです。
おうちで「英語を使う体験」を重ねることで、言葉が生きたものとして身についていきます。
まとめ:聞こえる英語が“伝わる言葉”に変わる瞬間を育てよう
英語は、「聞く→気づく→まねする→伝える」といった段階を経て、
少しずつ“使える言葉”へと育っていきます。
「英語を伝えられるようになってほしい」と願うなら、
焦らず、その階段を一歩ずつ登らせてあげてください。
意味のある聞き方、まねる練習、気持ちをのせたやりとり――
それらの積み重ねが、お子さんの「英語が通じた!」という喜びにつながっていきます。
締め
この記事が、あなたやお子さんの英語学習に少しでも役立つヒントになればうれしいです。
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